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所在地 福島県西白河郡西郷村米字西原3−5
電話番号 0248-48-1234

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対談「大分の糖尿病医療を変えたい」

大分合同新聞(朝刊)新聞に掲載されました。

岩科弘純 いわしなクリニック院長
三原徹之 三原整形外科クリニック院長
対談「大分の糖尿病医療を変えたい」

-整形外科クリニックでなぜ糖尿病治療に取り組むようになったのですか?

三原 全国で糖尿病かその疑いがある人が約2050万人いるとされ、40歳以上は4人に一人といわれています(2012年厚生労働省「国民健康・栄養調査」)。竹田は高齢化率が高い地域ですので、糖尿病の方が必然的にたくさんいます。糖尿病は検診で(数値が)引っかかっても治療をしない人が多いのですが、放っておくと非常に重大な結果を招きます。平成22年にいわしなクリニックの岩科先生と出会って糖尿病治療に取り組むようになりました。

岩科 僕は離島で“ドクターコトー”とやったことがあるんです。自分しか医者がいない。糖尿病の患者さんはいる。治療をせざるを得ない状況の中で、糖尿病の勉強をしました。その時に分かったのは「世の中で、糖尿病の患者さんはたくさんいるけど、ちゃんと診られる医者はとても少ない」ということです。

三原 整形外科クリニックなので最初は全く糖尿病治療を行なっていませんでした。一般の人もそうでしょうが、専門の先生に診てもらえば治療してもらえると思っていたのです。ですが岩科先生にお会いして、糖尿病は患者さんが非常に多いのに治療がうまくいっていないという問題を聞きました。「私が(治療法を)教えます。先生も出来ますよ」と岩科先生に後押しされたのがきっかけです。

岩科 三原先生は今言いませんでしたが、整形外科の医師は過去に糖尿病ですごく苦労した経験があるはず。心ある整形外科の先生なら糖尿病の患者さんを救うことに必ず興味を持っていただけると思ったんです。

三原 糖尿病が進行して壊疽した足の切断は整形外科医が担いますが、あまり気持ちのいいものではありません。糖尿病のコントロールがうまくいって、悪化しさえしなければ切断しなくていいのにと思っていましたね。

岩科 コントロールが悪いことを患者さん自身が知らないケースも多数あります。合併症予防の目標となるHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー=赤血球と結合した余分なブドウ糖=血糖値の指標となる)数値は7%以下で、8%以上だと危険性が非常に高いとされていますが、本来であれば6%以下に抑えるのが望ましい。

三原 一般的な病院では治療後の数値をグラフ化すると6、0〜7、4パーセントの範囲を中心としたピラミッド型を描き、6、5%未満は3割に満たないです(グラフ参照)。当院では、いわしなクリニックと同様に6%以下に抑えることを目標として診療に取り組んでいます。

-従来の治療法とどのように違うのでしょうか?

岩科::糖尿病治療の3つの柱は食事・運動・薬物で、受験に例えるなら、“英・数・理”狙う科目点は患者さんごとに違うんですが、合計点が合格点に達しないと合併症が出ます。この中で最も大切なのは薬物療法です。

三原::岩科先生に教わったのはまず、薬の使い方です。

岩科::糖尿病は焚き火と一緒です。血糖値が悪い時は火が勢いよく燃えている。この状態で(数値を上げる)物を食べたり、行動をしたりするのは、まきをくべるようなもの。適切な薬物療法で焚き火を鎮火状態にすれば、ちょっとくらい“まき”を入れても火は燃え上りません。最初にある程度抑え込むことがとても大事なんです。ある有名な糖尿病の教授は、「糖尿病は食事・運動療法だけで抑え込めるほど甘い病気ではありません」とお話しされています。

三原::現在インスリン注射をしている患者さんに限ると、HbA1c7%未満でコントロールできている人は約3割と言われています。

岩科::血糖値がそれほど高くない境界型の糖尿病でも心筋梗塞や脳梗塞は起こります。心臓や脳の合併症を起こさないことが重要です。

三原::合併症を起こさずに健康な人と同じ生活を送れるようにすることが目標となります。さらに付け加えれば、整形外科クリニックには理学療法士や作業療法士がおり、患者さんに対して適切な運動指導ができるのも良い点だと思います。

岩科::糖尿病は一病息災と言えます。食事と運動に気をつけて、毎月1回医者に行く。ちゃんと治療すれば長生きします。

-一般的な治療を受けている大半の患者さんはどうなるのでしょうか

岩科::従来行われてきた治療では、食事・運動療法から始めて、だんだん薬が増え、最終的にはインスリン投与に移行して死ぬまで続きます。この間、血糖値はじわじわ悪化、人工透析や心筋梗塞になる可能性がどんどん高くなります。数年前、ある有名な国立大学教授が「きちんと治療しなければ糖尿病は慢性に進行して、必ず目が見えなくなり、人工透析になって、心筋梗塞で死ぬ病気」と話していました。

三原::あなたの将来がこのように悪くなる可能性が高いと教えられたら、患者さんはそのようなりたくないと思うんですよ。でもほとんどの先生は10年後にどうなるか説明していないでしょう。

岩科::人工透析の第一位は糖尿病ですが(日本透析医学会調査)、10万人あたりの人工透析患者数で大分県は全国ワースト4位(2012年統計)、大分市は透析をしている国保加入者の割合が全国ワースト1位(11年度統計)。これが大分県の糖尿病治療の実態を表す数字だと言えます。透析患者が増えればそれだけ健康保険財政をあっぱくすることになりますし、患者さんご自身や家族の方が苦しむことになるのだと言えます。
インスリンを最初から投与することに抵抗感を持つ患者はいませんか?

岩科::一人一人の状況が違うので全員にインスリンを打つわけではありません。最初に今の状態を放っておくとどうなるのかをよく説明します。インスリンを打つ場合は、「後でインスリンを打たなくていいように今打つ」が基本。まず数値を下げ、必要がなくなったらインスリン投与をやめます。ケースによっては内服薬も減らします。2型糖尿病はインスリンの分泌不足と効きの悪さがミックスしているのですが、人によって「分泌不足」「効きの悪さ」が7対3だったり、4対6だったりします。一人一人の状態を見極めて薬のベストミックスを見つけていきます。

三原::積極的な新しい治療法では、最初から薬やインスリンを活用します。ですが、ある人に効く薬が別の人にも必ず効くかというとそうではありません。適切に薬を選択しないと下がるものも下がりません。

-今後どのように地域医療に貢献したいですか?

岩科::糖尿病治療で整形外科が果たす役割は非常に大きいんです。なぜかと言えば、血糖値が少々高くても病院に行かない人は多い。でも腰や膝、肩が痛かったら来る。要するに整形の先生のところには糖尿病未治療の患者さんが来る可能性が高いんです。見逃さずに適切な治療をすれば、患者さんが元気でいられる可能性が高くなります。整形の先生にこそ積極的に治療をしてほしいと思っています。

三原::うちで治療している患者さんも、糖尿病治療のために来た人はほとんどいないんです。整形の治療できた人の話を聞いていると、糖が高そうだから検査してみましょうとなって、そうしたら数値が高かったという人ばかりです。

岩科::医者であれば、勉強したらきちんとした糖尿病の治療はできます。大事なのは「腰が痛くて通院した病院で、併せて糖尿病の治療ができる」ということ。その方が患者さんも楽だし、医療費も安くすみます。このような医師を増やしていくことが大切です。

三原::県内の整形外科の医師が集まって講演会や研修をしたりして、幅を広げようと取り組んでいます。

岩科::本当の治療を学びたいと思っているお医者さんと一緒に、それだけですね。

三原::私も目の前の患者さんが良くなることが第一で、良くなれば嬉しい。岩科先生が毎月診療に来ていただけることになったので、大分県の糖尿病治療が変わるきっかけになればと考えています。